一度、ゴールウェイで、帽子をひったくられたことがあります。
その時は、アイルランドで出合った日本人、H君と一緒にメイン通りを歩いていたのです。
すると、後ろから僕の帽子をひったくって、若い男の子が何言かを言って走り出しました。
僕が呆然としているうちに、そのH君は全速力で彼を追いかけ始めました。
今でも彼の出足の早さ、行動力、また、物怖じせずどこまでも突き進んでいくようなまっすぐな強さに憧れます。
僕も彼に続き、追いかけ、挟み撃ちで引ったくりを捕まえました。
彼が逃げないように首の後ろのTシャツをつかんだ時、僕の視界の左側に車が急に止まりました。
警察でした。それも4、5人。偶然近くに居たらしいです。
「よかった!、助けてくれる」と思ったら、警察は現場を押さえ、まず僕に質問してきました。
大阪弁でいうと、
警察官「どないしたんや?」
私「あいつが帽子を取ってん。」
警察官「どこに宿泊してるんや?」
私「キンレイホステル」
警察官「ほんならOKや」
当時、キンレイホステルは宿泊する観光客はパスポートを見せなければ泊まれないのです。
帽子泥棒は、あっさり罪を認めて「すんません、すんません」と繰り返していました。
あたりは一瞬騒然とし、人だかりができましたが、たかが帽子泥棒。少年の悪ふざけ。
いくら治安のいいアイルランドでも、多少、こういうことってあるようです。